3Dスキャナーの応用分野
製鉄設備
CPW8000 3Dスキャナー
製鉄所の高炉から生産ラインまで製鉄所内の維持管理には、現状の設備やラインを正しく把握する必要があります。 機器の交換やラインの組み換えなどでは現在、既存図面を基に作業工程を組みますが、製鉄所内の3Dモデルから分析する方が効率的と言えます。 三次元レーザースキャナーを使って主要な設備やラインを3D化して維持管理データベースに保存しておけば、以後のメンテナンスなど設備保守に有効活用できます。
設備更新の時には、搬入機器との干渉チェックが可能となります。今後は、図面中心から3Dモデルによる設備管理へ向かっていきます。 プラントの規模にもよりますが、コスト的には恐らく百万〜数百万円程度で、全体あるいは一部のプラント設備の三次元モデル化が可能です。 プラントオーナーも遠隔地から、設備管理システムの3Dデータへアクセスできます。製銑、製鋼、電気炉設備などでは、3Dスキャナーに耐熱カバーを取付けるケースも考えられます。
高炉、焼却炉
既設の高炉や焼却炉は定期的にメンテナンスすることで、ダイオキシン発生の防止を防いでいます。
しかし窯炉内の煉瓦の形状確認(破損、劣化、欠落等)や計測の作業では現在主に、人海戦術で行なわれています。
目視では傷みの状態を正確に確認できないことがあります。
今後は3Dスキャナーを利用することで、短時間で高精度な3Dモデルと画像を取得し、
三次元のまま既設炉を管理できます。前回の定期検査と比べ破損がどの程度進んだか、3Dデータと写真で確認できます。
3Dデータから簡単に窯炉の横断図を作成できます。
計測の作業は自動化され、パノラマ写真も撮影できます。
耐火煉瓦の目地代や損傷の有無を確認できます。取得するデータは三次元ため、
設計データと築炉、築炉と定期点検の炉の現況を比較でき、炉の経年変化をミリ単位で計測できます。
炉の維持管理に直接関与しない第三者に対して、図面では既設炉の現状を理解してもらうのは難しいと思われます。
焼却炉の現状を三次元データで管理することで、役所や住民からも理解が深まります。
3Dスキャナーは、50cmの近距離から簡単に計測できます。
溶鋼鍋補修や窯炉整備では安全面からも、無線による遠隔操作可能な3Dスキャナーが有効と考えます。
造船
エレベーター三脚に
取付ける。
船舶の建造で重要なテーマは、短納期と自動化です。そのためには建造中の鉄板を精度良く計測することが重要です。
建造では現在、溶接されたブロックが設計どおり正しい寸法かどうか確認しています。寸法確認では従来、測量機などを使用していますが、複雑な形状をしたブロックの鋼板端点を計測することは難しく、計測の自動化は進んでいないと考えられます。端点が陰になってしまうこと、また測量機用ターゲットを貼る作業も困難です。しかしブロックの組立て時、寸法確認ができていない場合、後工程で鉄板の再成形や大規模な溶接変更が必要になる場合があり、コストアップとなります。
重要な点は、ブロックの状態で高精度で端点を計測すること、また鉄板曲面の形状を把握すること、しかも短時間で自動計測が求められています。3Dスキャナーは、船舶建設の技術継承という観点からも、船舶海洋工学にとって必要なツールと考えます。
事故災害
カメラ360°回転用
アダプター
海外では、交通事故や火災現場などの現場検証、地震や災害など被災地の現況計測に三次元レーザースキャナーが多く利用されています。従来の手作業による測定では、多くの労力と時間、また精度に欠けています。3Dスキャナーはなによりも、短時間で少人数にて計測作業でき、しかも360°のパノラマ画像も同時に取得できます。スキャニング時、光りの照度(白黒画像のイメージ)の情報も取ることができます。そのため三次元の点データは、夜間スキャニングでも対象物を白黒表示できます。物体のエッジ部分や道路の白線などをはっきりと表示でき、物体の識別が容易となり、図面を作成する場合簡単にトレースできます。CPW8000は重機などのアームにも取付け可能で、短時間作業と遠隔操作が可能です。
遺跡/洞窟(文化財)
三次元レーザースキャナーが最もよく利用される分野のひとつが、文化財の3D計測です。
遺跡調査の最近の入札では、「三次元レーザースキャナーを使用すること」という条件が記載されているケースが見受けられます。町並み、遺構、城壁、文化施設などの計測や景観保存で現在、多く利用されています。点データは図化するための基礎データとなり、さらにモデル化されてアニメーションやVRにも利用されています。
弊社の3Dスキャナーは、CCDカメラが内蔵されており、点データに写真を自動で貼り付けることができます。別売のアダプターを利用すれば、外部のデジタルカメラを使用でき、画像を点データへ貼付け可能です。3Dスキャナーのレーザー取り込み位置とカメラの光学的位置が同じであるため、歪みの非常に少ない高画像を取得できます。CP3200モデルでは、近距離(32cm)から高精度でスキャニングできるため、地層の変化、遺跡発掘や洞窟内の計測に最適です。
さらに3Dスキャナーを逆さまに設置できる三脚などを利用することで、スキャナーを下向けにでき、三脚の足元をスキャニングできます。
建設
3Dスキャナーを建設現場で使用することで、施工中の建設データや離隔距離の計測情報を、三次元データと画像データで保存できます。取得した三次元データ(X,Y,Z)はテキストデータへ変換され、改ざんはできません。地下の埋設物、壁、天井の配線、空調やダクトなどの位置情報は、竣工後には確認できません。現況を高精度で3Dデータ化すれば、以後のメンテナンスに利用できる貴重な元データとなります。地震などで被災が予測される発電所や公共の建物、あるいは集合住宅の建設では、施工管理の3Dデータとして保存しておくことが大切です。設計どおりに使用された部材の厚さがあるか、また基礎や配筋の状態を三次元で記憶し、コンクリートや配筋の関係も判明できます。写真では判明できないことも、3Dで表現することで距離測定も簡単に行なうことができます。新規の設備は元々、どのような状態であったかを知ることで補修に利用できます。建設後であれば、設備の位置関係を計測することは困難です。建設中の三次元データは、工場で生産されるプレハブの加工や再調整に役立ち、現場合わせの軽減につながります。
土木・測量
三次元レーザースキャナーは現在、測量・土木・建設の分野で多く利用されています。
現況測量、土木出来高・工事測量、土量計算、コンクリートのボリューム計算、ビルのリニューアル、室内の改装など、高精度・高速で面的な計測を行なっています。例えば3Dスキャナーを利用した現況測量では、隣接地、構造物や地形を極端に短時間で計測でき、境界ラインの確定に役立ちます。計測方法のひとつとして、車にスキャナーを載せたままスキャニングでき、また陰の部分をなくすため、複数個所から計測したデータを自動で合成します。
図面は3Dデータをトップビューにして、トレースします。少人数、短時間計測、3DによるVRで住民説明にも利用できます。また道路や交差点とその周辺の現況を、交通規制なしにすばやく夜間でも測量できます。取得したデータは、3Dモデル化して視覚的に解析したり、図面を作成します。
さらに点データに対して、属性データを付与してGISと統合したり、メンテ管理にも応用しています。複雑な曲面のビル壁面でも短時間で計測でき、従来の測量機に比べて、大量の座標値データを短時間で取得できます。点群データから平面図、また横断を任意箇所で作成できます。
横断の切り直しのため再度現場に行き、測量し直す必要はありません。構造物、特に今後予測される大量の橋梁やビルの補修には、3Dスキャナーで現況を測量することが最適です。
3Dスキャナーは今後益々、構造物の出来高管理や維持管理に使用されていきます。
駅内の設備、ビルの賃貸スペースの面積計算にも利用されています。
トンネル・共同溝・地下街
CPW8000 3Dスキャナー
トンネル内空での測量では、3Dスキャナーは最適な道具と言えます。360x300°の範囲を高速でスキャニングでき、高精度の点座標を取得します。一般的に古いトンネルでは、図面が無くなっているケースがあります。トンネル全体をスキャニングした場合、自由に任意箇所で断面をきり、設備断面の作成や位置の確認に利用できます。以前計測した箇所の断面と比較して差異を三次元表示したり、設計図面と比べて経年変化を知ることができます。
三次元データであれば、図面では表現できないトンネル内部の剥離やふくらみも表示できます。3Dスキャナーを使って作成したトンネルの三次元モデルに対して、測量機で計測したクラックや漏水などの情報を貼り付けて関連性を持たせるトンネル管理システムが構築されています。
走行シミュレーションの途中でトンネル内のクラック箇所を特定してクラックの亀裂状況を把握したり、補強計画に利用できます。3Dスキャナーは、トンネルの経年変化を調査するためミリ精度で状況を把握します。なおトンネル内での3Dスキャナーの計測では、測量用プリズムをスキャナーの上部に取り付けます。プリズムは光波測量機で読取り、その読み取り値をスキャナーの座標値と置き換えることで、測量座標へ変換します。
精密機械
CPW8000モデルの距離精度は、30mの地点で2mmという高精度です。
近距離では精度が向上します。機械部品 例えばエンジン周りの入り組んだ部品類を、1mm程度の精度で、しかも高速で計測したいと要望があります。CPW8000は5万点/秒のスピードでスキャニングでき、複数の箇所からスキャニングしたデータを自動で合成できます。
ミリ精度で精密機械を高速で計測したいという要望にお応えします。
大型機械
タービンや発電機、飛行機、建設機材など大型機械の計測では、三次元レーザースキャナーが利用されています。例えばタービン、タービンハウジングの点検修理やオーバーホールなどで、高精度で三次元計測するニーズがあります。また部材の設計データが入手困難な場合には、現況を高精度で計測する必要があります。
3Dスキャナーは、大型機械のため高所計測が難しい場合でも、複数の場所からミリ単位で計測して三次元モデルを作成します。CADモデルと比較でき、シミュレーションにも利用可能です。大型機械の製造完了後、三次元データとして保存しておけば、後の保守管理にも応用できます。
工場/ファシリティマネジメント
逆さまに設置する。
工場内をあるがままに三次元計測したいという要望があります。
取得した3Dの点データを基に、アセンブリーラインの変更、ロボットや作業員の配置などを分析します。たとえば海外の自動車工場を3Dモデルすれば、国内から海外工場の設備や製造ラインをシミュレーションできます。工場内の現況データは、ファシリティマネジメントに重要です。
三次元空間を管理するためツールとして、3Dスキャナーがもっとも有効と言えます。単に壁の四隅の点をおさえるだけでなく、配管、機器、空調、電気配線などの属性データを点データに付与することで、設備管理や改造・改修などに利用できます。
3Dスキャナーは一度に天井部分も高速でスキャニングでき、同時に写真も取得できるため、視覚的にFMが可能となります。工場内の現状を短時間で3Dデータ化することは、早期の改造計画につながり、その結果コスト削減となります。
プラント
一般的に古いプラント施設の場合、長年の改修や改造などでプラントの図面が最新になっていない場合があります。そのため改修計画では、全体物量が判明できません。機器の取替えなどの場合、三次元データが完備されていれば、機器の干渉チェックなど搬出入計画に利用でき、作業時間の短縮につながります。
カリダス社のスキャナーは2mm@30mと高精度の為、機器の据付検証に利用できます。
プラントを改修するとき、全体あるいは一部のエリアを短時間で精度高く計測でき、従来のマニュアル作業に比べ、工期短縮につながります。スキャニングデータからモデル化することでき、プラントを三次元で管理できます。さらにモデルに対して属性データを付与でき、原子力、火力発電所や化学プラントの改修にも利用されています。立ち入りが制限されたエリアや高所作業となる場合は遠隔操作にて計測できます。
3Dスキャナーは、配管ルートの再検討、機器交換のルート確認、作業環境の確認、またアズビルトモデルを作成することでメンテナンスに利用できます。ごみ焼却や製鉄プラント、原子力プラントや廃棄物処理施設などのアズビルトと解体にも使用されています。